あなたの基礎体温は?基礎体温で見る女性ホルモンのサイクル
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基礎体温表
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基礎体温表からわかること

女性の体のサイクル変化を見る指標となるのが基礎体温表です。これを参照すれば、排卵時期や内膜の状態がわかります。

 
基礎体温表(Basal body temperature)を読む
通常は、基礎体温をつけていくと周期の前半より後半に体温が高くなり、その差は0.3~0.6℃程度になります。特に排卵後はプロゲステロンの働きで体温は上昇していきます。その上昇が見られないのは無排卵の可能性があり、西洋医学では卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣、高プロラクチン血症などが考えられます。

月経周期が24 ~ 26 日型の人に低温期が10 ~ 12 日と短いケースが見られます。高温期が長く、その分低温期が短い場合は、卵がちゃんと成熟していないことが考えられます。
しかし、こういう場合でも、低温期、高温期がはっきり分かれる二層性の基礎体温で、超音波検査で排卵前後の卵胞の大きさが確認されていれば、あまり心配はありません。
高温期が長くなったら妊娠している可能性があります。高温期が3 週間続いたら、妊娠判定検査薬を使ってみては。
また、精神的なストレスや肉体疲労によって、妊娠していないのに高温期が長くなることがあります。高温期が長く、その分低温期が短い場合は、卵子がしっかり成長できていないことも考えられます。
排卵が起こっていも排卵後に卵巣にできた黄体がうまく働かないことがあります。これを黄体機能不全といい、高温期が9 日以内の場合は可能性があります。
またプロゲステロンに対する感受性の低い人も体温が上昇しない傾向があります。高温期が短いと、未成熟の排卵や黄体ホルモンの機能不全が考えられます。
ですので、高温期が長い場合と同様に、早めの検査をおすすめします。受診の際には基礎体温表を病院に持参してください。
このようなグラフは、ストレスが多く自律神経が不安定な方にしばしばみられます。高プロラクチン血症(PRL)、月経前緊張症候群(PMS)、自律神経失調症などが考えられます。
全体的に低温で、グラフがギザギザになっている時は、いわゆる無排卵です。原因として卵巣機能不全、多嚢胞性卵巣(PCO)、高プロラクチン血症(PRL)などが考えられます。
生活が不規則な人は、睡眠時間や体調、検温した時刻なども記入するようにしましょう。寝不足や疲れている時は体温が高くなったり、早く起きた時は体温が低くなったりします。
これらを考慮して全体を眺めると大まかな低温期・高温期が見える場合もあります。
 

 

卵胞が熟し排卵するまでの変化
卵胞期前半、FSH(卵胞刺激ホルモン)がわずかに増加しこれに刺激された約20 個の原始卵胞のうちいくつかの卵胞が発育します。それぞれの卵胞には卵子が1 つずつ入っています。続いてFSH が減少すると、これらの卵胞のうち1 つ(双子の場合は2 個)だけが発育を続け、成熟します。これを主席卵胞といい、14 日から25 日ほどかけて大きくなります。(この期間が低温期)
成熟した卵胞は卵膜、卵核、卵胞液からなり直径が約20mm。卵胞の成熟が完了すると卵巣からエストロゲンが分泌されます。
LH(黄体刺激ホルモン)の分泌で主席卵胞から卵子が排卵されます。敏感な人はこの痛みを排卵痛として感じることもあります。排卵後の卵は卵管の先端の卵管采へ取り込まれ、卵管を通って子宮に向かいます。

 

 

子宮内膜症って何?

子宮の内側にある内膜がなんらかの原因で子宮の内側以外の部分にくっつき、そこで増殖( ぞうしょく) してしまう病気を " 子宮内膜症″といいます。 内膜組織が付着する場所は、子宮の筋層( きんそう) 部分、卵巣、卵管、直腸、腹腔( ふくこう) 内、稀にはおへそや肺にまで飛び込んでしまうこともあります。

通常の場合、子宮内膜は女性ホルモンに反応して、月経のときに出血を起こします。それと同時に子宮の内側以外についた内膜組織も出血し、周りの組織と反応し激しい痛みの原因にもなります。
主な症状は、ひどい月経痛、月経時以外でもおなかがはるような痛みや腰痛、ほかに性交痛などです。子宮内膜症は、放っておくと症状がますます悪化し、不妊の原因になりかねません。

小さい内膜組織でも、細い卵管に付着してしまえば、卵管の中が詰まって、卵管障害を起こすこともあります。